【知財】名画をバックに記念撮影!SNSに投稿しても大丈夫?

By suzutaka, 2016年6月1日

Facebookやtwitter,instagarmなど,個人で情報発信できるSNSは今や誰もが使っていますね。

気軽に思ったことを書ける,その記事に友達が「いいね!」してくれたりコメントくれたりと,プライベートで使う人もいれば,ビジネスに関する情報を発信したりして,異業種交流会に行くと「facebookやってますか?」と聞かれることも増えました。

さて,今回はそんなSNSにまつわる相談です。

 

【相談の概要】

最近,ある有名画家の絵画を購入しました。友達に自慢したくてSNSにその写真をアップしたところ,「それ,載せても大丈夫なの?」というコメントを書かれてしまいました。

壁に飾った絵をバックに記念撮影したものでも,SNSで公開することに問題があるのですか?

 

【アドバイス】

著作権の保護期間は、原則として著作者が著作物を創作してから著作者の死後50年ですから、今回購入された絵画が著作権の保護期間内であることを前提に回答します。
そもそも「著作権」とは、複製権や上演権・演奏権、公衆送信権、展示権等、著作権法21条から28条までに規定される権利をいいます。

今回のケースで問題となりうる点としては、絵画を写真に撮ることが複製権を侵害するかということと、SNSに投稿することが公衆送信権を侵害するかということが挙げられます。

著作権法上の「複製」とは、「印刷、写真、複写、録音、録画その他の方法により有形的に再製すること」と規定されています。「有形的に再製した」というのは、要するに「著作物の核となる表現を真似た」ということです。
例えば、デジタルカメラで絵画を撮影すれば当然、その絵画の核となる表現部分はそのまま写し出されることになりますので、「複製」に該当することになります。
では、絵画を背景に人物を撮影した場合はどうでしょうか。いわゆる著作物の「写り込み」が複製権侵害に当たるかという問題なのですが、近年の裁判例(雪月花事件‐東京地裁平成11年10月27日判決)では、一般の人が当該著作物の美的要素の基礎となる特徴を感じることができるか否かを基準として判断しています。
今回のように絵画を背景として写真を撮った場合、その写真を見て絵画の美的要素の基礎となる特徴(筆のタッチや色遣い、構図等)を感じることができるのであれば、複製権侵害に該当する可能性があります。

もっとも、「個人的にまたは家庭内その他これに準ずる限られた範囲内で使用することを目的」とする場合には、著作権の制限規定(30条1項柱書)の適用がありますから、ご自身で撮影した写真を限られた範囲で楽しむ分には問題ありません。

ただし、インターネット上にアップロードしてしまうと制限規定の例外(30条1項1号)に該当することになり、複製権侵害となってしまうので、気を付けましょう。