【離婚】上手に別れるためのワンポイントアドバイス②

By suzutaka, 2016年6月1日

2015年9月に発表された全国離婚件数は,22万2107件!!
このうち,未成年者がいる夫婦の離婚は12万9626件もあります。

「子は鎹(かすがい)」とは言うものの,子どもがいても「離婚」を避けられない事情があるのでしょう。

離婚に至るまでには,男女問わず様々な葛藤があり,感情のもつれがあり…。
「そういえば,結婚前からこんなところが嫌だった」と歴史を遡って,相手を憎しみの対象に見てしまう方が多いのも現実です。

さて,今回は相談者Aさん(30代女性,専業主婦,子供なし)のケースをご紹介します。

<相談内容>
私の夫は,大手企業の会社員で現在35才です。
最近夫の様子がおかしいと思い携帯電話をこっそり見たところ,勤務先の後輩女性社員と2人で食事に行ったり,日帰りでドライブデートに行ったことが伺われるLINEメッセージが残っており,離婚を考えています。結婚してから10年間,夫を支えてきましたし,義父母とも上手くやってきました。まだ子供はいませんが,不妊治療もしていたので非常にショックです。
夫と相手女性から慰謝料をもらいたいですし,財産分与はきっちり半分もらいたいです。

<アドバイス>
●「浮気」≠「不貞」?!
「浮気」の定義づけは難しいですよね。異性と2人で食事に出かけたら「浮気」と言う人もいれば,連絡先交換をしただけでも「浮気」という人もいるでしょう。

裁判上の離婚原因となる「不貞」というのは,性的関係を持つことをいいますので,相談者Aさんの夫が後輩社員と食事やLINEメッセージを交換しているだけの関係という場合には「不貞」とは言い難いでしょう。
そのため,不貞を理由とする離婚を求める場合には,夫と後輩社員が性交渉に及んだことが伺える「証拠」(ラブホテルや相手女性の自宅に出入りしている写真,合鍵,メールのやり取りなど)を押さえる必要があります。
※なお,不貞の慰謝料請求の場合,継続性も重要なポイントになります。
つまり,「酔った末の一回限りの過ち」のような場合には,慰謝料発生事由として認められないこともありますので,継続した関係であることを裏付ける証拠を確保するよう努めましょう。

裁判例の中には,肉体関係までは認められない場合であっても過度に親密な交際をしていたことが夫婦間の信頼関係を傷つけるものとして「婚姻を継続し難い重大な事由」に該当すると認定したケースもあります(東京地方裁判所平成16年(タ)第308号)が,肉体関係を伺わせる事情があったり夫からの暴力等も相まって認定された裁判例ですので,一般化することは難しいでしょう。

●財産形成に対する夫婦の協力の度合いは?
財産分与の対象となるのは,夫婦の協力によって築いた財産です。例えば預貯金,保険(生命保険や学資保険など,解約返戻金が出るもの),株式,不動産等が挙げられますね。
Aさんの場合,ご本人は専業主婦ということですから,結婚後に増えた預貯金というのは専らご主人のお給料で構成されているものと思われます。
もっとも,「家事労働をすることで夫を支え,その結果夫が収入を得られた」と考えることが出来ますから,預貯金は「夫婦の協力によって築いた財産」といえます。
夫の不貞に傷付いた妻が「女遊びに預貯金を使い込んだから,その分は夫婦共有財産に戻してほしい」と言うことも少なくないのですが,財産分与においては別居時又は離婚時に残っている財産を分けることが基本になるため,理論的には難しいでしょう。
財産分与を求める権利は,離婚日から2年間で時効にかかりますし,離婚協議が上手くいかなくなってから相手名義の財産の開示を求めても応じてもらえない可能性がありますから,相手名義の財産を事前に把握しておくことは重要です。
なお,離婚調停や離婚裁判では,相手方名義の銀行預金口座等の残高を調査するための手続きがありますが金融機関名は特定しなければいけませんので,少なくとも相手方名義の財産に繋がる手がかりが必要です。

<まとめ>
離婚に至るまでの事情や財産状況,子供の有無等,個別の事情によってアドバイスの内容は大きく変わります。
弁護士に相談する場合には,ご自身の家族構成や結婚してから築いた財産の内容,離婚に至るまでの経緯をメモ書きしたものなど,資料を準備して行くとより具体的なアドバイスを受けることができます。